この本は、樹木の特徴をとらえたたくさんの写真によって、身近な樹木の名前を調べる図鑑としても使えます。でももっと大きな魅力は、樹木の細部の構造を取りだして見せ、こういう仕組みで植物はうまいこと生きています、このかたちが植物の生存競争に役立っています、とたたみかけるように植物の生きざまを説明していることでしょう。
樹木の四季の変化、近縁の植物との比較、ときには茎や花や実をスパッと割って見せるなど、手をかけて撮り集めた写真とあの手この手の説明で、樹木を観察することのおもしろさに引き込まれます。
この本を勧めてくださったのは、「かしの木山自然公園愛護会」の観察会でガイドをされている丸山先生*1でした。かしの木山は散歩が気持ちよいだけでなく、さまざまな植物を観察するのに絶好の場所です。毎月第1土曜日の9:30から開かれている専門家の案内による観察会は、植物が好きな方にお勧めです。
*1 なにか質問をするたびに、わかりやすく説明したあと「ここに詳しい説明が……」と言って魔法の封筒から解説のプリントがスルスルと出てくるのでビックリしました。
小幡和男・岩瀬徹・川名興・飯島和子・宮本卓也 著、2020年 全国農村教育協会刊、本書の協力者による内容と紙面の熱い紹介
/ei
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