道を歩いていると、標識や看板などの通行者に向けたいろいろな造作物が気になります。先日見つけたのは、上高地から徒歩2時間ほどのトレッキングコースに設置されている「クマベル」。上高地もクマの生息地ですが、クマだってできれば人間と出会いたくないので、お互いの幸福のために人間の存在を知らせられるようになっているのです。「クマ注意!」の看板よりも一歩踏み込んだ、通行者の注意を引くツールだと思いました。
反対側も。
国内でクマの目撃数が増えているのは、クマの数が増えたためなのか、シカの数が増えてクマの餌が足りなくなり山麓に出没するようになったのか、酷暑で餌となる木の実が不作だったのか、農作物や人間が出すゴミに引かれているのか、上高地の場合は訪れる人が増えて人目にふれる確率が上がったのか、いろいろなことが言われています。
クマの生息地と隣接している長野県軽井沢町には、人間との棲み分けを目指してクマの観察と保護管理をしているチームがあります。そのチームに同行してできた絵本『となりにすんでるクマのこと』には、クマの森での生活や性質がすてきな絵でわかりやすく紹介されています。
『となりにすんでるクマのこと』(たくさんのふしぎ|2024年11月号)
菊谷 詩子 文・絵、福音館書店刊、作者の紹介もぐっときます。
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